エビデンスに基づく科学技術政策

Evidence-based Policy Making
加藤忠史 2025.04.12
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御上先生

3月まで、TBS日曜劇場「御上先生」というドラマを観ていました。主人公は、文部科学省のエリート官僚。官僚派遣制度で高校の現場に派遣された官僚が教壇に立つ、という話でした。実際の文科省周辺の映像も盛り込まれ、高校でのロケも行ったらしく、臨場感のあるドラマでした。

主演の松坂桃李さんの演じる官僚がめっぽうカッコ良かったのです。松坂桃李さんは、以前、「今ここにある危機とぼくの好感度について」というNHKドラマでは、大学の広報担当を演じており、これも個人的にツボにはまるドラマでしたが、官僚や大学職員が似合う俳優さんは珍しい感じがします。「御上先生」には、終盤には文科省も絡むスキャンダルの話もありましたが、カッコ良い官僚に憧れる高校生が次々と現れてくれればいいな、と思いました。

世の中では、官僚というと、色々なイメージがあるのでしょうが、僕は、文科省、特にライフサイエンス課の方々には、理研の頃や脳科学委員会などで色々お世話になって来ました。危機に陥った時に助けてくれた思い出もあり、本当に有能で素晴らしい方々ばかりです。ドラマで描かれていなくて残念に思ったのは、現実の文科省では、女性の管理職の方々がたくさん活躍しているのに、それが描かれていなかったことです。

官僚かつ研究者

昨日、科学技術振興機構(JST)主催の、米国の科学技術政策の講演会を、他の用事で少し遅れつつ、途中から参加して拝聴していたら、その講演者である官僚の岡村圭祐氏のキレッキレの講演に感銘を受け、この文章を書いた次第です。

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  • トランプ政権の科学技術政策
  • 科学技術政策研究
  • Evidence-based policy makingへ向けて

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