”自然”が脳に与える効果
この夏、各地で地震や水害などがありました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
そんな中、誠に恐縮ですが、僕はしばし夏休みをとって休ませていただいております。休み中、ふと立ち寄った本屋さんで見かけた「ネイチャー・エフェクト」という本を買って読んでみたので、そのお話をさせていただきます。
帯には、「最新科学でわかった『自然のもつ究極の力』」などといった文句がちりばめられているので、正直、本当かな?と思いながら買いました。
ところが、本で引用されている論文を見てみると、何と、「自然との触れ合いがもたらす認知面でのメリット」という論文は、4664回も引用されているではありませんか! 更に、「自然との触れ合いは、うつ病患者の認知機能と感情を改善する」という1410回引用されている論文は、僕が初めて論文を投稿し、現在は編集委員を務めている、Journal of Affective Disordersという雑誌に掲載されていました。信頼すべき研究者による渾身の本だったのです。
著者はシカゴ大学の心理学部のマーク・G・バーマン教授で、自らの研究室を「環境神経科学研究室」と名づけています。
彼がこの領域の研究を始める契機になったのは、前述の、4664回も引用されている論文でした。著者が「公園散歩」と名づけたこの研究では、38名の大学生が、ランダムに2群に割りつけられ、大学近くの公園、または街中を散歩し、認知課題(7-3-8、と言われたら8-3-7と答える、逆唱課題)を行いました。
